パソコンは適切な処分方法が決められている!
パソコンは粗大ごみで捨てることができない
パソコンは文章を作成したり複雑な計算をしたりする上でたいへん便利なアイテムですが、この分野の技術の進歩はめざましく、すぐに相対的なスペックが低下して新しいソフトが動かないなどの不具合にみまわれることになります。
そこで新規購入から数年も経てば買い替えの時期を迎えますが、ここで問題となるのが古いパソコンを処分する方法です。
「資源有効利用促進法」とは
一般に家庭から排出されるごみは自治体が責任をもって処分することになっており、粗大ごみ等もそのひとつに含まれます。
粗大ごみはサイズが大きすぎて通常のパッカー車による回収が困難なことから、各家庭で自治体のごみ処理場に直接搬入するか、または電話などで予約の上で期日を決めて特別に自宅まで回収しにきてもらう対応となっています。
しかし、実はパソコンは粗大ごみとして捨てることができず、法律によって別の方法が用意されています。
情報が流出する恐れがある
パソコンに内蔵されたハードディスクなどの装置には多くのデータが蓄積されていますが、これらのデータを消去しないままパソコンを処分してしまうと、処分の過程で顔写真や住所・氏名、銀行口座やクレジットカードのパスワードなどのたいせつな情報が漏洩し、第三者に利用されるおそれがあります。
このため、もしもパソコンを処分しようとするのであれば、まずは適切な方法で内部のデータを消去しておくことが必要です。
処分する前にデータを消去しよう
パソコンには個人情報を含む多くのデータが保存されています。もちろんリサイクルの工程でデータ消去などの作業をともなう場合はありますが、すでに利用者の手元を離れた状態では確実かどうかは断言できません。そのため処分に先立って自主的にデータは消去しておきましょう。
データのバックアップをとる
パソコンの内部に含まれているデータは、買い替え後の新しいパソコンでも使用する可能性があります。いったん消去してしまうと復元することが難しい場合がありますので、最初に他のハードディスクなどにバックアップをとっておくとよいでしょう。
データ容量が大きければバックアップにもそれなりの時間がかかりますが、最近ではできるだけ作業効率を高めることで所要時間を短縮したバックアップ専用ソフトも登場していますので、こうしたものを積極的に活用します。
専用ソフトを使う
市販されているデータ消去専用のソフトウェアを使用すれば、内蔵されているハードディスクに大量の無意味なデータを上書きして元のデータを読み込めなくすることができます。
中にはインターネットを通じて無料で提供されているフリーソフトもありますので、お金をかけたくない場合はフリーソフトの利用も可能です。
ハードディスクを物理的に破壊する
わざわざ専用ソフトを使わなくても、ハードディスクを物理的に破壊する方法によって内部のデータを完全に読み込めない状態にすることは可能です。逆にこちらのほうが復元不能にできる可能性は高く、顧客の個人情報を大量に管理している企業がパソコンを処分する場合などにはおすすめの方法です。
ただしハンマーで叩くなどの方法では意外と取りこぼしがありますので、専用のハードディスク破壊機のある店舗に持ち込むか、そうした店舗に破壊を委託するのがよいでしょう。
磁気でハードディスクを破壊する
これらの方法以外にも、ハードディスク内部に強力な磁力を当ててデータを破壊し、二度と読み込みをできなくする方法があります。こちらも物理破壊と同様に有効な方法ではありますが、専門機器を用意しなければならないため、個人や一般の企業で行うにはハードルが高いといえます。
やはりハードディスクの磁気破壊を専門としている会社に委託をして代行してもらう必要があります。
回収してもらう
古いパソコンを処分するにはいくつかの方法がありますが、メーカーなどに引き取りをしてもらうのがもっとも簡単な方法です。もちろん回収とはいってもその窓口はいろいろですので、条件に合った方法を選ぶとよいでしょう。
パソコンメーカーに回収してもらう
パソコンメーカーは自社で製造したパソコンを法律の規定にもとづき回収する義務を負っているため、連絡をすれば無料で回収してもらうことができます。
ただし無料なのはPCリサイクルマークが貼られているパソコンに限るため、たとえば自作などのシールがないパソコンの場合には別途回収のための費用が発生します。メーカーによる回収であればデータの消去もメーカー側であわせて行ってくれます。
自治体の回収ボックスで処分する
市役所をはじめとする公共施設の入口などに、自治体が家電製品の回収ボックスを設置していることがあります。ディスプレイや外付けハードディスク、プリンターなどの小型家電はこうしたボックスを通じて回収してもらえます。
ただしパソコンの本体はあくまでもメーカー回収に限定していたり、小型家電についても取り扱う品目の少ない自治体もありますので、最終的には自治体に確認することが必要です。この場合はデータ消去も自前で行うのが原則です。
回収業者に処分してもらう
街なかにあるパソコンのリユース企業で無料回収を行っていることがあります。一般に回収するパソコンのメーカーは問いませんし、自作の場合であっても回収は可能です。
これらのリユース企業もデータ消去は行っていますが、確実かどうかはわかりませんので、やはり自前でのデータ消去は望ましいといえます。
家電量販店で下取りしてもらう・売却する
買い替えのために新しいパソコンを家電量販店で購入する場合には、古いパソコンを下取りしてもらえる可能性があります。
下取りのため価格的にはそれほど期待はできませんが、少なくとも新規購入するパソコンが下取り金額分は値引きされるのでお得です。しかも古いパソコンを別途処分する手間もからないので便利です。ただしデータ消去をするかどうかは店舗しだいですので、事前に確認しておくことが求められます。
売却する
パソコン処分の方法は何も回収だけとは限らず、売却によることも可能です。この方法であれば処分のためのコストがかからないばかりか、逆に利益を手にすることができます。もちろん売却前にはしっかりとデータ消去をしておくことが必須です。
買い取り専門店に買い取ってもらう
発売日からそれほど年数を経過していないスペックの高いパソコンであれば、家電製品の中古買取店に依頼して買い取りをしてもらう方法があります。
このような店舗はあくまでも動作確認や簡単な清掃をした上で中古品として転売することを意図していますので、型式の古いパソコンや壊れて修理が必要なパソコンでは買い取りに応じてもらえないおそれがあります。
まれに壊れていてもジャンク品の扱いで買い取ってもらえることがありますが、その場合はほとんど利益はないものとみたほうがよいでしょう。
オークションやフリマアプリで売却する
店舗で売却する場合には期待したほどの高値では引き取ってもらえないことが多々ありますが、フリマアプリやオークションなどを活用すれば、高値であっても購入を希望する個人がみつかることがあります。
ただし相手方と品物の受け渡しなどの段取りをしたり、梱包・発送などの作業をするのもすべて本人の役目ですので、他の方法と比べるとかなりの労力と時間がかかります。
知人に売却する
もしもパソコンを譲ってほしいという友人や知人が身近にいれば、こうした人に売却するのもよいでしょう。信頼に足りる相手かどうかは日頃の付き合いでわかるため、オークションやフリマアプリよりも安心です。
ただしあまりにも高額を提示してしまうと人間関係に影響がありますので、売却するにしてもほどほどの価格にとどまってしまうところがネックです。
まとめ
便利なパソコンも使っている間にやがて買い替えの時期を迎えます。こうした場合に古いパソコンを処分しようとしても、法律による規制があるため、自治体の通常のごみ回収には出すことができません、また処分の際にデータが流出してしまう懸念もあります。
そこで古いパソコンを上手に処分する方法として、パソコンメーカーなどの窓口を通じて回収してもらう方法、リサイクル専門店などに売却をする方法が挙げられます。それぞれの方法ごとにメリットは異なりますので、重視したい条件にしたがってふさわしい方法を選ぶとよいでしょう。